ちゃんと根拠のある食べていい糖質量の計算方法
- 糖質制限
これまで何度か書いてますが。
就学前の幼児を連れた母親が、人通りや交通量の多い道路で、子どもと手も繋がずにスマホいじってる光景が当たり前になって来ました。
歩きスマホで踏切が閉まったのに気づかず電車に轢かれて死んだ女性もいました。
私が理解できないのは、
1,ナゼそこまでしてスマホを見なきゃならないのか?
2,スマホで何やってんのか?
です。
私、小さな会社ですが一応経営者をやってますので、取引先さんや銀行やスタッフから、電話・メールが1日に何十通も来ます。
上記の人たち、もしかしたら私くらいスマホに連絡が入って来るのかも知れませんが、どう考えてもそうは思えません。
そこまでしてスマホを見てなきゃならない明確な理由があるなら教えて欲しい、あらてつです。
ホンマに何やってんのか不思議で仕方ないです。
で。
今回はそんな明確な理由のお話。
前回、『極端なことをするのが糖質制限ではありません。』と題しまして、全く本来の糖質制限を理解していないのに「我こそは糖質制限の正統派なり!」と、意味の分からんことを言ってる連中がいるなんて話を書きました。
この連中の主張には、全くもって根拠がありません。
前回の記事で書いた通り、糖尿病の血糖コントロールの為に始まった食事療法が糖質制限です。
1回の糖質摂取量も、血糖コントロールの為に設定します。
その血糖コントロールの為の糖質摂取量なのですが、自らが1型糖尿病で、炭水化物を制限することで血糖値を正常化する、謂わば糖質制限の元祖と言ってもいいアメリカのリチャード・K・バーンスタイン医師によりますと、
1gの糖質が、
2型糖尿病患者の血糖値を3mg/dl
1型糖尿病患者の血糖値を5mg/dl
上昇させます。
例えば、2型糖尿病の方で、一回の糖質摂取量を40gだとすると、40g✕3mgで120mg/dl血糖値が上がります。
空腹時血糖値が100mg/dl~110mg/dl未満と正常な数値でも、40gの糖質を摂取すれば、そこから120mg/dlも血糖値が上がるわけですから、血糖値のピークは220~230mg/dlとなってしまいます。
因みに、私は境界型ですが、最大上昇値は200mg/dちょいくらいまでですが、そこまでは 1g ✕ 3mg/dl 上がります。
何故血糖コントロールをしなければならないかと言いますと、高血糖の状態が続くと糖尿病合併症を発症してしまうから。
糖尿病合併症は、血管が傷害されることによって起こります。
食後血糖値が180mg/dlを超えると、血液中の糖によってリアルタイムに血管の内側が傷つけられます。
分かりやすく言えば、糖がヤスリになって血管の内側を削るような感じですね。
高血糖の状態が続けば続くほど糖が血管を傷めていきますから、血管がボロボロになっていくのは分かりますね。
血管がボロボロになったらどうなるかと言うと、
・目の血管が傷害される → 網膜症で失明
・腎臓の血管が傷害される → 腎障害で透析
・足の血管が傷害される → 足の切断
・心臓の血管が傷害される → 心筋梗塞
・脳の血管が傷害される → 脳梗塞
となります。
これらの合併症を防ぐための血糖コントロール目標値は以下とされています。
【空腹時血糖値】
優 80~110mg/dl未満
良 110~130mg/dl未満
【食後2時間血糖値】
優 80~140mg/dl未満
良 140~180mg/dl未満
ここから逆算して、1回の糖質摂取量を決めます。
具体的な計算方法ですが、仮に2型糖尿病の方で、空腹時の血糖値が100mg/dlだとします。
食後2時間の血糖値を、目標値の140mg/dlに抑えるためには、
140-100=40
で、40mg/dlが上昇の許容範囲です。
すると、40mg/dl÷3mg/dlで約13g
この13gが1回の食事における糖質の摂取許容量となります。
ですが、慣れてしまえば13gに抑えるのは難しくないのですが、初めて糖質制限に取り組まれる方には少しハードルが高いかと。
なので最初の内は、少し緩めの20gくらいを目安にするとやりやすいですし、食後血糖値も160mg/dl くらいに抑えられると思います。
この様に、本来の糖質制限には「血糖コントロール」という明確な目的があり、その為に設定する糖質摂取量にも明確な理由と根拠があります。
「本当の糖質制限は1日◯gしか糖質を摂ってはいけない!」
なんて何の根拠もなしに言ってる連中の話など、夢々信じてしまわれない様、お気をつけくださいね。