糖尿病と糖質制限 高血糖が招く合併症編
- 糖尿病
アブラとちゃうちゃう
そうです、糖尿病の原因もメタボの原因もアブラじゃありません。
糖質です。
前々回で、「血糖値が上がるとなんで悪いか」なんてお話を書きました。今日は、その補足です。
昨日のブログにもちらっと書きましたが、最近ニュース番組で、メタボリックシンドロームの特集をよく目にします。
某民放やらN○Kの放送でも、「アブラの摂り過ぎに注意しましょう」なんて話やら「カロリーの摂り過ぎに注意しましょう」なんて話をしていました。
ちゃうちゃう。
アブラの摂り過ぎの話は、トランス脂肪酸に注意しましょうって内容だったので、「食事はバランスが大事」なんて締めくくり方など、疑問点はいっぱいありましたが、まだ良しとしましょう。
ところが、「カロリーの摂り過ぎに注意しましょう」ってのは、カロリー=脂肪の摂り過ぎがメタボの原因で、こいつが心筋梗塞やら糖尿病のリスクも増やしているなんて論調だったので、思わず山瀬まみになりそうでした。
これも何度か書いている話なんですが、アメリカでは、ここ30年間の間で脂肪の摂取率は減少しています。ところが、です。
脂肪摂取率が下っているのに肥満率は倍以上に増えています。糖尿病患者数に至っては、1995年から2005年の10年間で2.6倍に増加しています。
脂肪の摂取率は減っていると書きましたが、近年、逆に摂取量が増えているのは「糖質」なんですね。
要するに、脂肪を減らしても肥満は減らないし、心筋梗塞やら糖尿病のリスクも減らないってことです。
それが証拠に、UKPDSの研究調査結果や、アメリカでの循環器病学会での報告では、「脂肪の摂取を減らしても、心筋梗塞は減らない」と出ています。
じゃあ、何がこれらの病気の原因かと言いますと、同じくアメリカでの循環器病学会では「糖質の摂取が多い食事の人は、心筋梗塞が多い」と報告されています。
やっぱり、アブラとちゃうやん。
じゃあ、なんで糖質が多いと心筋梗塞が増えるのかって話になりますが、ここで、昨日のブログに書いた内容につながってくるんですね。
糖質を食べると血糖値は上がります。
特に糖尿病の方は、一気に200ml/dlを超えて大きな血糖スパイクを起こしますし、糖尿病でない方も、最初の30分で一気に血糖値が上がって、インスリンが出て急降下すると言ったスパイクが起こります。
この状態が長期に亘って続くと、細かい血管だけでなく、大きな血管にもダメージがどんどん蓄積し、心筋梗塞や脳梗塞などの、いわゆる「大血管性の合併症」を引き起こすのです。
脂肪を食べても血糖値は上がりませんし、血管にダメージを受けません。
血糖値を上げる糖質を過剰に食べる食生活こそが、メタボやら心筋梗塞やら糖尿病の原因になっているのです。