糖質制限ってどれくらいまでなら糖質食べてもいいんですか?
- 糖質制限
ここ数日、明らかに空は黄色く霞んでますし、車もベランダの手摺も砂だらけになってます。
民放の天気予報では、黄砂とPM2.5の飛散状況を解説していました。
だがしかし。
相変わらず気象庁の黄砂情報は、
観測なし
ホンマか?
それってホンマか?
霞んでる空を動画に撮って気象庁に送ってやろうかと思う、あらてつです。
砂を採取して送る方がいいですかね。
この黄砂とPM2.5の所為か、ケッタイな咳が止まりませんが、気合い入れて本日の話題。
最近、SNSに投稿が反映されるからか、糖質制限の初歩的なご質問をちょこちょこ頂くようになりました。
今回も名無しさん(?)から、
「糖質制限ってどれくらいまでなら糖質食べてもいいんですか?」
とコメントを頂いたのですが、ちょっと困った問題が。
まあ、何が問題かは後述するとして、取り敢えず「どれくらいなら食べていい?」に行きますと、食べずに済むなら食べないに越したことはありません(笑)
ですが、実際問題として、なかなかそういうわけにも行きませんので、順番に説明して行きましょう。
Dr,バーンスタインの『糖尿病の解決』に
「1gの糖質が、2型糖尿病患者の血糖値を3mg、1型糖尿病患者の血糖値を5mg上昇させる。」
とあります。
あ、Dr.バーンスタインについては、
リチャード・K・バーンスタイン
で検索して頂くと詳しく出てくるので、ここでは省きますね。
話を戻します。
上記の公式(?)をもとに、高雄病院での数値目標
1 空腹時血糖値110mg/dl未満、あるいは126mg/dl未満
2 食後2時間血糖値180mg/dl未満、理想的には140mg/dl未満
3 HbA1c6.9%未満、理想的には6.2%未満
から逆算してもらえれば、食べても良い糖質の量が出てきます。
糖質と血糖値の上昇については、具体的に例を上げると分かりやすいです。
仮に、2型糖尿病の方で、空腹時の血糖値が100mg/dlだとします。
7訂栄養成分で茶碗一膳分とされている150ḡのご飯を食べてみます。
150ḡのご飯には55.65ḡの糖質が含まれていることになってるので、
55.65×3として166.95mg/dlの上昇、空腹時の血糖値が100mg/dlだったら、食後血糖値が266.95mg/dl
血糖値が200mg/dl を超えると、即座に血管の内側の壁を傷つけます。
なので、食後血糖値が266.95mg/dl も上がっちゃえば、血管ボロボロコース一直線です。
じゃあどうすれば良いのか?なんですが、
食後2時間血糖値の目標値が140mg/dl ですから、 それ以内に抑えるためには、
140mg-100mg
で、40mgの上昇幅が許容範囲となります。
すると、40mg÷3gで約13g
この13gが一回の食事における糖質の摂取許容量となります。
ただ、これはちょっと厳し目の目標値なので、最初は1回の糖質摂取量を20gくらいを目安にした方が、取り組みやすいかなと思います。
因みに、これが健常の方だとどうなるか?
健常人と云えど糖質、特に現代人の主食になってる精製された糖質を摂ると食後30分で一気に血糖値が上がります。
血糖値が上がるとどうなるかですが、今度はインスリンがどば~と出て一気に血糖値が下がります。
空腹時血糖値と食後最大血糖値の差をグルコーススパイクと云いまして、この上下動差が大きければ大きいほど血管を傷つけます。
また血管の損傷だけでなく、代謝の乱れや情緒の不安定を引き起こします。
それはナゼか?
インスリンがどば~と出て一気に血糖値が下がると、今度は上げようとして違うホルモンが出ます。
身体の中で“ドリルすんのかいせんのかい”ならぬ、“血糖値下げんのかい上げんのかい”と言った、吉本新喜劇状態が起こります。
これよって、代謝が乱される訳ですね。
糖質制限では、糖質量の摂取を減らして血糖値の上下動を少なくし、グルコーススパイクを防ぐのも目的のひとつです。
なので、
「空腹時の血糖値が80mg/dlだから140mg/dlまで60mgある、つーことは20gの糖質食べても大丈夫!」
なんてならないのでお気をつけくださいね。
で。
ここまで読まれて
「え?私糖尿病も血糖値も関係ないんだけど」
と思われた方も多いかと思います。
そんなこと聞いてんじゃねえしって(笑)
ここで冒頭の「問題」のお話が出てきます。
↑は、糖質制限の本来の目的である
糖尿病における血糖コントロール
を前提に書きました。
最近、“糖質制限ダイエット”が一般化して、糖質制限=ダイエットと思ってらっしゃる方が増えましたが、そもそもは糖尿病治療のために始まったのが最初です。
糖質制限でのダイエット効果は、本来の目的から言えば、二次的なものに過ぎないんですね。
先日、糖質制限の批判でこんなの見つけました。
「糖質制限は間違っている、糖質には太る糖質と痩せる糖質が有るからだ」
この「そもそもの成り立ち」を知らない&理解してないんで、こんな意味の分からん批判ができてしまいます。
糖尿病患者からしてみれば、
「いやいや血糖値上げるかどうかが問題なんやって。」
ってな話です。
で、結局のところナニが言いたいのか?
「糖質制限ってどれくらいまでなら糖質食べてもいいんですか?」
どれくらいならなんて表面的なことだけじゃなく、本質をしっかり理解しましょうねってお話でした。
ちゃんちゃん。