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血糖管理と運動とする時間帯についてご質問頂きました。

  • 糖質制限

ゆうさんから、血糖管理と運動とする時間帯についてご質問頂きました。

『夕方の運動
初めまして。今年の春に糖尿病宣告されて、悩みながら半年が過ぎました。夏にこちらのブログを発見して、自分だけじゃないんだと知ることでホッとしたのが昨日の事の様です。ありがとうございます。
主治医は糖質制限積極的推奨派ではないため、見よう見まねで始めて、それでもHbA1cも10⇨5.5まで下がりました。体調も良くなり、爪が割れなくなったり肌荒れが解消したりと、良いことが多い様に思います。
血糖測定器も最近購入して、炭水化物を摂ったあとの数値に驚いたりと、まだまだ不安ばかりですが、ブログの内容や、コメントされる方々の内容を読んで、何となく糖尿病について少しづつ理解できる様になってきました。
1つお聞きしたいのですが、私は家族や仕事の都合上、食後に運動する環境を作れません。今月から何とか、週に3回程夕方の5時頃から1時間〜1時間半程のウオーキングや筋トレを行っているのですが、夕食前のこの時間の運動は血糖値管理のためにはあまり意味の無いものなのでしょうか。
(ちなみに、身長164、体重50、BMI19ですので、減量は必要無いです。飲み薬のメトグルコも先月で飲まなくても良くなりました。)教えていただけると嬉しいです。』

ゆうさん、コメントありがとうございます。

こちらこそはじめまして。

ようこそあらてつブログにお越しくださいました。

夏に私のブログを発見されたという事は、その時期から糖質制限食に取り組まれたのでしょうか?

そうしますと、この短期間の間で10.0のHbA1cが5.5まで改善したということで、これはもう素晴らしいの一言です。

HbA1cの改善以外にも、体調が良くなった、爪が割れなくなった、肌荒れが解消したとのこと。

キッチリと糖質制限できている証拠なので、不安に思われることないですよ〜。
このまま、「美味しく楽しく」糖質制限を続けられて、良好なコントロールをお保ちくださいね。

で、ご質問頂いた運動する時間の件ですが、その前に、仕事や家事の合間を縫って運動の時間を作っておられるとのこと、これも素晴らしいと思います。

なんせ、「仕事が」「家事が」と言い訳する方が、私を含めて多いもんで(笑)
ゆうさんの爪のアカを煎じて飲ませて頂きたいです。

話が逸れましたね。

本題です。

え〜、食後に運動するのが難しく、夕食前に1時間〜1時間半程のウオーキングや筋トレをされておられ、これが血糖管理に効果があるのかとのご質問です。

ここでまた少し話が逸れるのですが、糖尿病と運動療法について。

日本糖尿病学会が「食後30分に30分の運動」なんて勧めるもんで、皆さん、「運動は食後にしなきゃ」と刷り込まれちゃってます。

だがしかし。

運動療法って言われてるほど効果なかったんですよね…。

2009年に、東海大学の大櫛陽一先生と江部康二先生が運動と血糖値について共同研究されまして、私、コーディネーターを務めさせて頂きました。

その結果についてですが、江部康二先生のブログから抜粋させて頂きますと…

『大櫛先生が日本糖尿病学会は「食後の運動」を勧めているが、糖尿病患者にはほとんど効果がないと述べておられます。
これは、食後血糖値に関して「糖質制限の効果」と「運動の効果」を調べた、高雄病院と東海大学の共同研究が背景にあります。
研究結果は、2009年の日本糖尿病学会年次学術集会で発表されました。
少し補足しますと、
1)基礎分泌インスリンがあるていど以上不足している段階の糖尿人には、運動療法の効果がほとんどない。
2)BMI25以上の糖尿人も運動効果はほとんど期待できない。
ということです。
言い換えれば、普通の体型の人で、インスリン基礎分泌があるていど残っていれば、運動療法の効果は期待できますので。 (^^)
私も基礎分泌インスリンが1.6~3.2μU/ml(3~15)と少なめですが、このていど残っていれば、明らかに運動効果はあります。』

でした。

じゃあ私はどうなんだという話になるのですが、ゆうさんの場合は、短期間で素晴らしく改善されておられますし、BMIも19とのことなので、運動療法は効果があるのではないかなと思います。

ここでようやく、

「せっかく運動療法が効果あるかもなのに、夕食前にしか運動の時間が取れない、これで血糖管理に効果あるのだろうか」

の本題です。

運動した後しばらくは、インスリンの追加分泌がなくても血糖値が上昇しにくくなるそうです。

その理由なんですが、筋肉が収縮すると、「Glut4」という物質が筋肉の細胞の中から出てきて血糖を取り込むからだそうです。

此処から先は、また江部康二先生のブログから引用させて頂きます。

『筋収縮によりGlut4が筋肉細胞表面に出ているのは、新潟医療福祉大学の川中健太郎先生によれば、運動終了後2~3時間持続とのことです。
先生の論文に引用してある文献によれば「ラットに2時間の水泳運動を負荷したあと、運動終了3時間後でも、一定量のインスリン刺激に対してよりたくさんのGlut4が細胞膜表面にトランスロケーションできる」そうです。
つまり一旦、2~3時間で細胞内に戻ったGlut4ですが、その後もしばらくはトランスロケーションしやすくなっているのですね。』

ということは、夕食前に運動しても、2〜3時間以内に食事をすれば、血糖管理に効果的かもですね。

ただ、運動と血糖値については分かっていないことも多く、個人差もとても大きいので、自己測定器をお持ちでしたら、一度、夕食前に運動したあと2〜3時間以内に食事して、食後血糖値を測定してみてはいかがでしょうか。

そうすれば、ゆうさんの運動と食事と血糖値の関係が分かるかもです。

もし測られましたら、結果をコメント頂けると嬉しいです。

ではでは、宜しくお願い致しますm(__)m

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