ブログ

糖質制限で耐糖能が低下するというけれど…

  • 糖質制限

皆々様、お元気でお過ごしでしょうか。

私、先週に引き続き絶不調です(笑)

この絶不調の中、明日から出張です。

行き倒れになるような気がせんでもない、あらてつです。

生きて帰ってこれるだろうか…

さて、マロンさんからご質問頂いていて、「記事にしますね〜」などとホザイて幾星霜、放置するにもホドがあるっちゅーくらい放置してしまいましたが、本日、本日ようやく本文の方で取り上げさせて頂きますm(__)m

『あらてつさん、度々ありがとうございます。何処そこの首相のお話、ごもっとも‼︎でございます。 (♯`∧´)

糖質制限中の運動について、あらてつさんのご説明で充分納得しました。ご紹介下さいました本、読むまでもありません(笑)

それにしても一旦広まった誤った情報がリセットされるのに時間がかかるんですね。利権も絡んだりすると更に遅れそ〜 ( ̄◇ ̄;)

あらてつさん、もう二点ほどよろしいでしょうか。

糖質制限して未だ半年なんですが、江部先生のおっしゃる通り、糖質とらなければ健康人、摂り過ぎれば糖尿人、それはそうなんですが、僅か半年で、以前よりも糖質に対する耐糖能が落ちた感じがします。

私の場合抵抗性ではなく分泌不足型ですので良くなる事は望みませんが、今の状況が何なのか、悪化なのか退化なのかも気になります。

素人判断で程々に膵臓を働かせる、140越えない範囲で炭水化物も摂取するのはどうなんでしょう。

変動幅少なく、の観点からはアウトでしょうが、80台から140,150位なら、大体健康人だってそれ以上の事もあり得るのだし•••

私は何故か朝のみ血糖値が上がりにくく、今実験に70g程のご飯、パンを食べてますが、一時間後二時間後も100台の事もあります。

普段午前中に運動してる事もあるかもしれませんが。

勿論昼過ぎからは残念ながら何をしてもダメです。

薬に関しても、糖質制限前セイブル75mで鰻重や天ぷら定食完食で二時間180ぐらいだったのが、今では1/4の糖質でも200超えです。

今は、ジャヌビアはほとんど効果なし、グルコバイも50mgではダメ、100mgは処方されてないので分かりません。

グルコバイ100とメトグルコ500-750mg、それにジャヌビアもかぶせたら、なんてダメですかね〜。

我を生かす!道は糖質制限の他はなし、なので、今後も糖質制限続けますが、酷使ではなく休ませすぎによる退化(悪化?)が見られる人の対処と、災害非常時とかどうしてもの時の効果的な薬について、ご教示頂けましたら幸いです。 』

マロンさん、改めましてコメントありがとうございます&大変長らくお待たせ致しまして申し訳ございませんでしたm(__)m

で、ご質問の

「糖質制限を続けていて耐糖能が落ちた感じがします、今の状況が悪化なのか退化なのか気になります。」

ですが、まず「今の状況が悪化なのか」に関しては、済みません、私はドクターではないので分かりません。

この件と薬に関しては、主治医の先生にお聞きくださいね。

なので他の「耐糖能が落ちた気がする&退化かも」について、私の見解をば。

「慣れの問題じゃないですか?」

「慣れ」と言ってしまうとあまりに簡単すぎますが、例えば、辛いものって、最初は食べられなくても、食べてるうちに段々慣れてきて、平気になってきます。

ですが、しばらく食べるのを止めてまた食べようとすると、食べられてた辛さだったものが、食べられなくなってしまいます。

「辛いのと糖尿病の耐糖能と一緒にすんなや」と言われそうですが、あいや待たれい。

アルコールの摂取を考えてみましょう。

私、お酒好きですが弱いです。

ビールをコップ1杯飲んだら、全身真っ赤になる「フラッシング反応」が出ます。

いわゆる、「ALDH2不活性型」ってやつです。

飲んだアルコールは、アルコール脱水素酵素(ADH)によって分解され、アセトアルデヒドになります。

このアセトアルデヒドは人体にとって有害なので、2型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)によって酢酸に分解されて、最後は炭酸ガスと水になって体の外に排出されます。

私はこの「2型アルデヒド脱水素酵素」の活性がほとんどないタイプらしいので、アセトアルデヒドの毒性によって、真っ赤になって動機が起こり、そのうち寝てしまいます。

ですが、20代前半の頃、知人の酒屋の影響で日本酒にハマり、そこそこ人並みちょい以下程度に飲んでいた時期がありました。

なんで「2型アルデヒド脱水素酵素」が不活性なのに飲めたのか?

なぜならば、毎日毎日飲んでいて、脳のアルコールに対する感受性が低くなったから。

もちろん、「2型アルデヒド脱水素酵素」が不活性なんで、フラッシング反応は無くなりませんよ。

ですが、毎日アルコールを摂取することによって、脳のアルコールに対する許容範囲が広くなったので、ある程度飲めるようになったわけです。

ところが。

この十年、ほとんどアルコールを飲まなくなると、びっくりするくらい酒が飲めなくなりました。

酷い時なんか、ワインをグラス一杯飲むと、意識が彼岸の彼方に飛んで行きそうになります。

日常アルコールを飲まなくなったことで、脳のアルコールに対する感受性が上がった、つまり、「毎日飲んで脳がアルコールに慣れていたけど、しばらく飲まなくなったから、慣れがなくなった」ということでしょう。

ほら、読者の皆さんも経験あるでしょう?

「久しぶりに飲んだらめっちゃ回るわ」

って(笑)

糖質制限を批判する連中がよく言う「糖質制限で耐糖能が落ちる」もこれと同じだと思うんですよ。

人間の身体って、あらゆることに「慣れ」ますよね。

いい事でも悪いことでもね。

アルコールは身体にとって毒ですが、毎日飲んでれば「慣れ」ます。

糖質も身体にとって毒ですが、毎日摂ってれば「慣れ」ます。

ですが、両方共「毒」には変わりませんので、後々、身体にとって悪影響が出てきます。

それが「アルコール依存症」だったり、「糖尿病」だったりするわけです。

なのでマロンさん、「耐糖能の悪化」は、身体が退化したわけでな、普段食べないことによる「感受性の変化」によるものだと思いますし、もともと非常時意外に働く必要のなかった膵臓を、わざわざ働かせる必要は無いと私は思います。

ただ、今のマロンさんの状況が某かの「悪化」の場合も有り得るので、気になる時は医療機関を受診してみてくださいね。

あ、そうそう、江部康二先生のブログに、滋賀県の岡田先生がコメントを入れておられたので、以下、ご紹介させて頂きます。

『14/12/20 おかだ
耐糖能

そもそも「耐糖能」とは検索してみると「 グルコースの処理能力の指標で,通常グルコースを経口もしくは血管内に投与し,一定時間後,もしくは経時的に血中グルコース濃度を定量して判断する.糖尿病の基礎検査の一つ」と有ります。

すなわち、追加分泌のインスリンの分泌能を調べる検査です。インスリン分泌は、血糖上昇に対するもの(追加分泌)と、ずっと出続けている基礎分泌が有ります。

すなわち、急激な血糖値上昇という危機に対応する分泌です。糖質制限をしていると、この危機が訪れないので、ひょっとして体はスクランブル体制を解いている場合があるかもしれません。

その結果、糖負荷試験(OGTT)をすると2時間後の血糖値が、糖質制限前より上昇します。

これをみて、普通の先生は糖質制限をすると「耐糖能」落ちるというでしょう。

そもそも、糖質制限をしていれば、75gのグルコースを飲むという馬鹿なことはしません。

また、OGTTを施工する数日前は炭水化物を三食しっかり摂るようにとのことです。

糖尿病の方が糖質制限をすると、殆どの場合、HOMA-β(インスリン分泌能)とHOMA-R)インスリン抵抗性)が改善されます。

例えにならないかもしれませんが、禁煙して久しぶりにタバコを吸うとクラクラしますね。

これを「耐ニコチン能」が悪くなったって言いますか。という話だと考えます。』

岡田先生、すごく分かりやすいです。
ありがとうございます。

 

 

糖質制限の専門ショップ 糖質制限ドットコム