糖質制限とコレステロール
- 糖質制限
昨日、家電量販店に行きました。
電化製品なんて普段買わないので、行くたびに浦島太郎になった気分になります。
キョロキョロしながら店内をうろついてますと、カメラ売り場に出ました。
どんどん新しいのがでるなぁと見てますと、夏に買ったカメラを発見。
お~、これ持ってると、買ったんだから当たり前のバカなことを考えながら値段を見てみると…
「1万円以上安くなっとるやんけ!」
発売されて約半年、私が買ってから約2ヶ月経ちましたが、もう半値近く値下がりとは…。
こんなこと続けててたら、自分で自分の首を絞めてることになるんちゃうのと思った、あらてつです。
この業界、ほんとに大丈夫か?
全然話は変わります。
前回、検診のお話でコメント頂いた、まこさんから、今度は検診でコレステロールの数値が高いと言われて心配だ
とのコメントを頂きました。
『今日は年に1回の職場健診でした。先々週から延期して少しは体重下がってるかな、と期待しましたが、結局は昨年とほぼ同じでした。まー、冬に太った分を取り戻したってことで今後は増えないように現状維持しつつ落としていきたいな、と思いました。
また、一応糖質制限をスーパーで行なっていましたが(完璧じゃないですが)目標だった健診も終わったので、日曜の外食とかは気にしない、とか時々は糖質制限にとらわれないで食事もして行こうと思ってます。続けなきゃ意味ないですもんね。
今回の健診で今まで嬉しかったことが1つと心配が2つ・・・。
嬉しかったことは、今までずっと貧血だと言われてきたのが、糖質制限ダイエットをしていて肉をよく食べてたせいか改善されていたようです。過去ずっと評価がCだったのが今回Aだったので。
で、心配なのが、血圧が上が130下が82とちょっと高めでした。今までも上が128で注意を受けていたので・・。(しかも2回測るのですが、2回目は上が137でした)
もう一つはLDLコレステロール値が170で、かなり危ないと言われてしまいました。
肉、卵を控えて2週間くらいで改善されないと薬も投与しないといけない、と言われました。
ちょっとショックでした。糖質制限で、炭水化物や糖類は気にしてましたが、こうも数値が高いとやっぱり肉とか卵もある程度控えないといけないのでしょうか。
手っ取り早く何か食べよう、という時は、だいたい肉焼くかオムレツにしたり、と確かに肉・卵率は高かったですが・・・。野菜も食べてましたけど、ここんとこの野菜の価格高騰で量は少ないかもしれませんが、それでも食べてはいたんですけどね・・・。
江部先生の本を読む限りでは、カロリーなんかも極端に摂りすぎなければOKって書いてあったので、何が良くなかったのかな・・・と考えています。
ま、今日は久しぶりにパックですが寿司買ってきたので夕飯で食べたらまた気持ち切り替えて頑張ります。』
まこさん、コメントありがとうございます。
以前に、「日本のお医者さん、コレステロールの薬出すの好きです」なんて書いたことありますが、未だこの状況は変わんないですね~。
コメントにもお書き頂いてるように、ちょいとコレステロール値が高くなると、すぐにコレステロール降下剤を飲まそうとします。
薬飲むのは、ここから先を読んでからでも遅くないので、ちょいとお付き合いのほどを。
2007年の日本動脈硬化学会のガイドラインで、「総コレステロールは心筋梗塞とは無関係」ということで、基準から外れました。
この改定までは、総コレステロールが220mg/dl以上あると高脂血症(2007年に脂質異常症に改名)とされて、それこそドバドバコレステロール降下剤を飲まされてたんですよ。
この基準は厳しすぎるとずーっと批判されてきたのが、やっと改正されたわけですが、だったら、今まで飲まされてた薬はなんやってんちゅー話ですよね。
この間儲けていたのは製薬メーカーと一部のお医者さんで、体が悪くも無いのに薬を飲まされていた患者にとっては、たまったもんじゃないです。
で、同じく2007年の日本動脈硬化学会のガイドラインでは、LDLコレステロール値が140mg/dl以上を脂質異常症としています。
「LDLコレステロールが増加すると動脈硬化が起こり、心筋梗塞などのリスクとなる。」
ってのがその理由なんですが、日本より心筋梗塞が3倍多いアメリカでは、190mg/dl以上が基準となっているそうです。
なんかおかしいもの感じるのは、私だけ?
有り体にいうと、この50mgの差で、何千億円単位で薬代が変わってくるそうです。
こんな話もあります。
2002年、日本動脈硬化学会の高脂血症(当時)の基準が変更となりました。
2001年に出されていた改定案では、当時220mg/dl以上だった高コレステロール血症の基準値を、240mg以上に引き上げることで承認されていました。
ところが、2002年の最終的なガイドラインでは、某京大のエラいセンセイの「数値を変更すると現場が混乱する」の一声で、再び220mg以上と元の数値に戻ってしまいました。
220を240に引き上げたのは、約5万人の高コレステロール血症患者を6年間調べた結果、心筋梗塞のリスクが増えたのは240mg以上、という研究結果を受けてのことでした。
因みに、220mgと240mgの差はたった20mgですが、薬代にすると一年で一千億円以上違うそうです。
混乱するのは現場じゃなくて、アンタの銀行口座と支払いじゃないのか?と勘ぐりたくなります。
まあ、早い話、日本の今のコレステロールの基準値なんて、厚生労働省の木っ端役人と、その木っ端役人どもが天下りした製薬会社、加えてごく一部の権益にまみれた大学教授との癒着が作りだしたもので、真っ当なもんじゃございません。
「でも、実際にコレステロール値が上がってるじゃないの!ホントに大丈夫なの?」と不安になると思います。
ここで、糖質制限食を実践するとコレステロールはどうなるのか?
江部康二先生のブログから引用させて頂きます。
『糖質制限食の実践で、血糖値、HbA1cは速やかに改善します。中性脂肪も速やかに改善します。HDL-コレステロールは増えますが、改善速度は個人差があります。
LDL-コレステロールと総コレステロールは、一定しません。少し減少する人が一番多いです。
いったん増加した後、徐々に減少する人もいますし、一部上昇する人もいます。
ちなみに下記は、スーパー糖質制限食実践中の、私、江部康二の2008年8月のデータです。私の場合LDLは少し減少しました。
血糖値:104mg(60~109)
HbA1c:5.1%(4.3~5.8)
中性脂肪:68mg(50~149)
HDL-コレステロール:112.5mg(40~85)
LDL-コレステロール:104mg(140mg未満)
総コレステロールは、2007年改訂の日本動脈硬化学会のガイドラインで、心筋梗塞とは無関係ということで、基準から外れました。従いまして、糖質制限食実践中で問題となるのは、LDL-コレステロールだけですね。
バーンスタイン先生の本の「総コレステロール÷HDL」とか「中性脂肪÷HDL」は、少々総コレステロールが高くてもHDL-コレステロールが多いと大丈夫であり、中性脂肪が低くてHDL-コレステロールが多い人は一番好ましいということです。
LDL-コレステロールのなかで、真の悪玉は酸化LDL-コレステロールです。酸化LDL-コレステロールこそが動脈硬化の元凶とされています。
小粒子LDL-コレステロールが多いと、酸化LDLが増えます。通常のLDL-コレステロールは、肝臓から末梢組織に細胞膜などの原料となるコレステロールを運んでいく役割があり、体にとって必要なもので悪玉ではありません。
糖質制限食を実践すれば、中性脂肪が低下してHDL-コレステロールが増えて、小粒子LDLと酸化LDLは減少しますので好ましいのです。
小粒子LDLと酸化LDLは、直接測定が困難なので、中性脂肪とHDL-コレステロール値から推定することになります。
中性脂肪が多くて、HDL-コレステロールが低い人は、小粒子LDLと酸化LDLが増えるので、要注意です。
また、最近の説でLDL-C/HDL-C比が2.5を超えると、血管壁のプラーク占拠率が増えて動脈硬化の危険因子となるそうです。
結論です。
糖質制限食実践中で問題となるのは、LDL-コレステロールだけです。LDL-コレステロール値に関しては、日本のガイドラインは厳しすぎるので、米国(日本より心筋梗塞が3倍多い)のガイドラインにしたがい、
低リスクの人の薬物療法開始は190mg/dl、
中程度リスク者で160mg/dl、
高リスク者で130mg/dl
が一つの目安になります。
一方、糖質制限食実践により一旦LDL-コレステロール値が上昇しても、徐々に減る人が多いのでしばらく経過を見る選択肢もありますね。』
というわけです。
あと、肉やら玉子食べると一時的にコレステロール値が上がりますが、人間の体は良くできたもんで、外部から入るコレステロールが多くなると、体内で作るコレステロールを減らします。
以上、まこさん、ちょっとは不安の解消になりましたでしょうか。
まだまだ不安でしたら、江部康二先生のブログの「コレステロール」のカテゴリーをご覧ください。